✿ 女性と漢方薬

          

私たちが普段行う西洋医学では、身体を臓器別に考えて病気を診断し治療します。高血圧に対しては降圧剤というように、同じ病気には同じ作用の薬を使います。

 

一方、漢方では人間の心と身体は一体(心身一如)と考えます。患者さんの訴えと体質(証)を考えてそのひとに合った漢方薬を処方します。訴えは同じでも患者さんの証によって使う薬は違ってきます(同病異治)。また異なる症状でも同じ漢方薬を使う場合もあります(異病同治)。

 

西洋医学、漢方医学ともにそれぞれにメリットがあり、上手に使い分けることでお互いの相乗効果も期待できます。例えば「がん」を漢方で治すことはできませんが、手術後の回復を早めたり、副作用を軽くすることはできます。

 

現代医学を駆使しても、患者さんの訴えの原因が分からず「気のせいですよ」とか「様子をみましょう」としか言えず、悩んでいる患者さんを前にして無力感を感じることもあります。

そのような場合に漢方的視点で考えればその方の「証」と「訴え」から、効果の得られそうな漢方薬を使用することができます。

 

女性は男性に比べて初経、妊娠、出産、閉経と大きなライフサイクルの変化があるため身体の不調が起こりやすく、それらの体調不良に漢方薬が効果的といわれています。「冷え」や「肩こり」などは漢方薬の得意分野ですが、その他にも月経困難症、月経不順、月経前症候群、不妊症、妊娠中の体調不良、更年期障害、肥満、むくみ等の症状にもあなたに合う漢方薬が見つかるかもしれません。

様々な体調不良でお悩みの方、漢方治療も考えてみてはいかがでしょうか。